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遺留分侵害額請求を弁護士に依頼した際の流れについて解説!

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「『遺言書に○○に全財産を相続させる』と書いてあって、納得できない。ところでどのような流れで遺留分侵害額請求をするの?」と疑問をお持ちの方は多いと思います。この記事では、そもそも遺言とは何か。遺留分侵害額請求とは何か。そして、どのような流れで請求するのかを順を追って解説します。


目次

遺言とは何か

遺言とは、死後のために物事を言い残すことをいいます。法的な効力が認められる遺言であるためには、いくつかの要件があります。「遺言は、この法律に定める方法に従わなければ、することができない」(民法第960条)とされ、遺言の要件について定めているのが民法第968条第一項です。遺言書にはいくつか種類がありますが、「自筆証書によって遺言をするには、遺言書が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」と記載されています。次のことがわかります。

  • ◯全文を自筆で書くこと(ただし、財産目録については一定の要件を満たせばパソコンで作成しても問題ありません(民法968条2項)。)
  • ◯日付を自筆で書くこと
  • ◯氏名を自筆で書くこと
  • ◯押印をすること

なお、この記事は、上に挙げた必要な要件が全て満たされていることを前提にしています。仮に遺言の要件が満たなければ、そもそも有効な遺言が存在しないことになり、「遺産分割協議」をすることになります。遺産分割協議の詳しい流れはこちらをご覧下さい。

遺言書の種類

遺言の方法は四種類あります。民法第967条には「遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りではない。」と記載されています。

公正証書遺言

公正役場とは、法務省が管轄している役所です。役場という名前がつくので、市役所や町村役場などの役場と勘違いされがちですが、市役所や町村別の機関です。手数料はかかりますが、国の機関が法律に基づいた遺言の作成をサポートしてくれますし、保管をきちんとしているので、遺言を残されるのでしたら、公正証書遺言で作成なさるのがオススメです。

故人が「遺言を残した。○○公証役場に保管してあるので、相続の時に連絡してほしい」などと伝えることが多いようです。なお、公正証書遺言が残されているかの確認(検索)は、全国どこの公証役場でもできます。

公正証書以外の遺言と検認

自筆証書遺言の場合は、保管場所が故人によって異なるため、自分で探さなければなりません。自宅に保管している場合は金庫や仏壇の引き出しなどの可能性や、自宅以外でも銀行の貸金庫や弁護士に預けている可能性もあるため、よく確認しないと見逃してしまいます。遺言書をよく探さないまま、遺産分割協議をしてしまい、後から遺言書が見つかると相続人同士のトラブルになりやすいです。故人が「遺言を残した」と生前に言っていた場合やそのような記憶があれば、念入りに探すのを強くオススメします。

公正証書であれば、国の機関で遺言を作成するので、遺言があるという記録や保管中に遺言が偽造・変造されることはないのですが、それ以外の遺言ですと、そのような可能性もあります。家庭裁判所が「検認」を行ないます(民法第1004条第一項・第二項)。

検認は、裁判所が遺言書の有効・無効を判断するのではなく、あくまでも、相続人らに遺言が存在すること。遺言書の偽造・変造を防止する手続きです。 検認手続きが終わると、遺言執行がはじまります。

遺言の中で、遺言執行者を指定することができます(民法第1006条)。「遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有(民法第1012条第一項)」します。
例えば、遺言(書)に「○○(長男)に遺言者の有する一切の財産を相続させる」と書いてあってあったら、遺言執行者は、遺言者(故人)の意思を尊重して、○○(長男)に全財産を相続させるべく、銀行口座の解約や不動産の売却手続をする義務があります。

遺留分の計算方法

遺留分とは、配偶者や直系卑俗(子や孫)、直系尊属(父母や祖父母)に与えられている、最低限保障されている取り分を指します。なお、故人の兄弟には遺留分の権利はありません。遺留分に関するより詳しい解説はこちらをご覧ください。

遺留分の性質や存在意義について、法律学者の間で議論がありますが、遺産は故人の努力だけではなく、家族の精神的サポートや家事労働の貢献によるところも否定はできません。また、残された遺族の最低限の生活保障・生活の糧の側面もあり、遺留分制度は法律で認められているのです。

具体的な遺留分(民法第1042条)は、下のとおりです。
①直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
②直系尊属以外の場合 二分の一
③相続人が複数人いる場合 法定相続分×①または②

事例A

お母様が3000万円の財産を残して亡くなり、遺言に「慈善団体に全財産を相続させる」と書いてあったとします。相続人が長男のみだとすれば、長男の遺留分は二分の一の1500万円です。

事例B

お母様が3000万円の財産を残して亡くなり、遺言に「長男に全財産を相続させる」と書いてあったとします。相続人が長男と長女の二人だとすれば、長女の遺留分は、総体的遺留分である二分の一×法定相続分である二分一で、750万円です。

遺留分侵害額請求の流れ

遺留分が侵害されているからといって、自動的に遺言が無効になったり、自動的に遺留分侵害額請求権を行使したことになるわけではありません。遺留分侵害額請求を行使する旨を意思表示して、相手にそれが届かないといけません。そのため、遺留分侵害額請求の流れを理解しておくことは大変に重要です。

遺留分侵害額請求の流れは大きく3つの段階があります。①内容証明郵便による意思表示、②遺留分侵害請求「調停」、③遺留分侵害額「訴訟」です。順をおって解説します。

①内容証明郵便による遺留分侵害額(旧称:遺留分減殺請求)の意思表示

遺留分が侵害されていることを確認できた場合には、遺留分侵害額請求(旧称:遺留分減殺請求)の意思表示だけで効力が生じ、必ずしも裁判による請求を行う必要はありません。 間違いなく期限内に意思表示をしたことを証明するためにも、配達証明付きの内容証明郵便によって請求するのが一般的です。  なお、遺留分侵害額請求権には1年間の時効があります(民法第1048条)。

②遺留分侵害額請求(旧称:遺留分減殺請求)調停で請求

内容証明郵便を送って、相手との話し合いスムーズにできればいいのですが、そうでない場合には、裁判所での話し合いである「調停」を行います。

③遺留分侵害額請求(旧称:遺留分減殺請求)訴訟

内容証明や調停でも解決に至らない場合には、被相続人の最後の所在地を管轄する地方裁判所か簡易裁判所に訴状を提出して裁判手続行うことになります。

遺留分侵害額請求訴訟においては、裁判所が訴訟の当事者が主張している事実について判断をしますので、訴訟の当事者は、事実関係や法律上の主張をするだけでなく、その証拠を集めることが必要となります。 主張したい事実についての証拠を集めることが困難な場合が多く、また、法律上の主張も難しいため、請求をご検討されている方は、どうぞお早めに弁護士にご相談ください。

遺留分の解決事例

シーライト藤沢法律事務所は、遺留分侵害額請求の解決事例が豊富にあります。遺留分侵害額請求の行使には一年間の「時効」もありますので、お早めに当事務所までお問い合わせください。

まとめ

『遺言書に○○に一切の財産を相続させる』と書いてあって、納得できない」方は多いです。遺留分侵害額請求という法律手続により、遺言の最低限の取り分は法律で保証されています。これを行使(主張)するかどうかは、一年間の時効制限がありますので、納得できない方はなるべく早くご相談下さい。

相続に関して当事務所にご相談されたい方は、お電話もしくは、お問い合わせページよりご連絡ください。



弁護士 阿部 貴之 写真 弁護士法人シーライト藤沢法律事務所

代表弁護士 阿部 貴之

神奈川県弁護士会所属。弁護士登録後、都内総合法律事務所、東京都庁労働局等を経て、平成27年に弁護士法人シーライト藤沢法律事務所を開設。依頼相続トラブルの相談実績は300件を超える。「依頼者の良き伴走者となるために」をモットーに、スタッフと共に事件解決へ向かって邁進中。好きな言葉は「二人三脚」「誠心誠意」。弁護士紹介

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