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解決事例

自宅の不動産をめぐる遺産分割で深刻な争いになっていたが、裁判上の和解により2800万円を獲得した事案

遺産分割

80代 男性


被相続人との関係:夫

相続財産:不動産(固定資産評価額)約720万円(市場取引額約1500万円)、 現預貯金 3300万円

背景

依頼者様は、妻と妻のお父様の土地にある自宅建物に長年住んでいました。
妻は2人兄弟で、兄がいました。妻のお父様は、その兄に依頼者様が現在住んでいる自宅建物を譲ることにしましたが、その兄が他界してしまったため、兄の息子(妻から見て甥)がその自宅建物を相続することになりました。
しばらくの間、依頼者様と妻は、甥が所有する自宅建物に住んでいましたが、平成31年に妻が亡くなりました。
妻が亡くなると、自宅建物の所有者である甥は、実家の土地・自宅建物を売却すればまとまったお金が手に入るので、依頼者様は、そのお金で老人ホームに入居したら良いのではないかと考えていました。
しかし、依頼者様は長年暮らしている思い入れのある自宅建物で一生涯暮らしてゆきたいと思っていました。
本人同士では話し合いができないと思った甥は、弁護士を立ててきました。
依頼者様が甥に電話したところ、「今後の話は弁護士と話して欲しい」と言われました。しかし、本人同士で話し合えばよいと思い、依頼者様が放っておいたところ、「建物明渡請求事件」として訴訟提起をされてしまいました。
そのタイミングで弊所と提携する税理士よりシーライト藤沢法律事務所の紹介を受けたとのことで、面談の上、受任することとなりました。

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主 張

①今住んでいる自宅建物に住み続けたい。
②妻の相続財産を法定相続分で分けて、遺産分割を終わらせたい。

解決策

本来、遺産分割協議は家庭裁判所で行いますが、今回は、地方裁判所の和解の席で自宅建物に居住し続けるための交渉を行いつつ、並行して遺産分割協議も進め、その内容を「建物明渡請求事件」の和解調書に盛り込むために、一つの裁判所で手続を進められるように工夫した立ち回りをしました。
また、甥には妹(妻から見て姪)がおり、相手方弁護士が姪ともやり取りをしながら話を進めていました。
実家土地の遺産分割について、甥としては、依頼者様や姪に代償金を支払って自身の単独所有にして売却処分しやすいようにしたいとの考えを持っておりました。そのため、甥は、自身の支払う代償金を少しでも安くするために実家土地の評価を安めに主張してきました。具体的には、更地価格は1800万円位だが、自宅建物が建てられている分価値が下がるので1500万円位であるという主張でした。
これに対し、こちらも業者に調査を依頼し、評価額は1900万円という結果となったところ、一般的な考え方となる路線価÷0.8が2200万円でしたので、最低でも1900万円であるという主張を行いました。
加えて、土地の上には甥の所有物が建てられているわけなのでそれを更地にするのは建物所有者の甥が行うことであると主張しました。
ただ、ご依頼者様としては自宅建物に住み続けることが最終目的であったため、円満に賃貸借契約が締結できる限りは評価額を1500万円とすることに同意するが、自宅建物からの退去という結論になる場合は評価額についても徹底的に争うという姿勢での交渉材料にしました。
そして自宅建物に住み続ける権利の交渉については、当初いくらかの解決金をお支払いして使用貸借という権利で良いので実家の建物に住み続けられる方向での解決を目指して話を進めました。
しかし、相手方はこのまま住むなら賃料相当の金銭を払って欲しいと主張して譲りませんでした。そこでこちらも、使用料相当の金銭を支払うのであればそれ相応の権利を持てるように賃貸借契約をしっかり結ぶべきと方針を転換し交渉を続けました。近隣の家賃相場をお互いに調べ、相手方は家賃として10万円、こちらは7万円を主張しました。
また、相手方は依頼者様が亡くなったら契約が自動的に終了するようにしたいと主張してきました。交渉の末、オール電化の故障や壊れた門扉の修繕など今後各所にかかる修理費や庭の剪定費用を免除し、かつ依頼者様が亡くなったところで賃貸借契約が終了するものとするかわりに家賃を7万円にすることができました。

相続に関して当所にご相談されたい方は、お電話もしくは、お問い合わせページよりご連絡ください。

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結果

妻の遺産は、預貯金が約3300万円、実家土地(1500万円)の1/2の持分であるため、法定相続分としてはこれらの3/4が依頼者様、甥及び姪がそれぞれ1/8となります。
これらについて、実家土地を取得するのは甥、預貯金はご依頼者様が相続することになり、そして、甥と依頼者様が遺産を自身の相続分より多めに引き取る分について、ご依頼者様と甥は、姪に代償金を支払いました(依頼者様から約290万円、甥から約220万円)。
そのほかご依頼者様は甥に解決金として、210万円(妻が亡くなってから今日までの未払い分の賃料としての金額にご依頼者が亡くなった場合の撤去費用免除分も含む金額)を支払うという結果になりました。
建物明渡請求事件についても和解が成立し、遺産分割協議書も裁判所に保管の和解調書と一緒に綴じてもらう形としました。

交渉前 弊所へ依頼後
膠着状態のため0万円 約2800万円
取得した金額全額から解決金と代償金を差し引いた額
交渉前 弊所へ依頼後
自宅からの退去により望まない養老施設への転居 ご健在の限り
自宅建物に居住可能
(賃貸借契約成立)

担当弁護士の所感

ご本人としては、自宅に住み続けたいというお気持ちが強かったので、それを一番にしつつもこちらが損をしすぎないようにするにはどうすべきかと考えました。
土地建物だけの問題だけだと話し合いが難航するような構えでしたが、相続財産として潤沢な預貯金があったのでそれをうまく使って交渉することで円満な解決に導くことができました。
もともとは本人どうしで十分な意思疎通がとれていればここまでこじれなかったものの、依頼者様の耳が遠く電話での意思疎通が非常に難しかったり、これまで双方が疎遠な関係だったりしたことから、相手に弁護士を立てられて訴訟提起されてしまいました。そのため、こちらも弁護士を入れて応じざる得ない状況であり、高度な調整力が求められる事件でした。
不動産をめぐって遺産分割がまとまらない状況になっている場合は、弁護士の関与によって解決できる場合も多いので、話がこじれる前にお早めに弁護士に相談することをお勧め致します。




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